【12月3日】情勢解説

(一)危機にあえぐ日本帝国主義はもはや「民主主義」のタテマエを保障できない

入管法改悪案は11.27に衆院本会議で強行採決された。衆院審議はわずか17時間、しかもそのやりとりは「空回し」などまったくデタラメ。
さらに安倍は、G20などの外交日程をくりあげ、12.10に参院の強行に突進している。11.29には憲法審査会を会長の「職権」で開催し、もはや審査会の意義を投げ捨てて12.6に自民党改憲案を提示しようというのだ。
さらに今国会では、水道事業の全面民営化のための水道法改悪、沿岸漁業の漁業権を奪う漁業法改悪に突進しようとしている。むきだしの新自由主義政策だ。

(二)ゆえに、闘う労働運動・学生運動への弾圧―労働者階級側の「力」をつくらせないことに躍起になっている

関生支部弾圧とともに、京大で「建造物不法侵入」で、高田君の起訴・再逮捕、さらに2学生を不当にも起訴。
築地では、移転に反対し営業権を行使して築地で営業を続ける仲卸業者の2社に対して、仲卸業務の全面停止という懲罰的処分を強行した。

(三)米帝トランプ政権が「米国第一」を掲げて対中貿易戦争にのめりこんだことで世界情勢は一変した。世界戦争の危機は差し迫っている

米帝の中国にたいする貿易戦争は、中国スターリン主義体制への対峙・対決、侵略を狙ったものだ。トランプにとっては国内の労働者反乱への排外主義・愛国主義的圧殺のテコであり、さらには米軍事力の再建・強化、経済の軍事化である。軍需産業の基幹部分において中国製品を使っているような現状では、貿易関係を暴力的に断ち切ってでも米帝自身の軍事力を再建しなくてはならないのである。この経済の軍事化と戦争過程への移行こそ、結局は帝国主義的経済の大恐慌に対応する基本コースだ。
トランプが米帝の残存せる経済力と軍事力を米帝の延命をかけて行使する段階にいたったことは、帝国主義間争闘戦が最後は軍事力で決するという段階に入ったことを意味している。

さらにいくつかの重大情勢が進行している。
G20では米・EU・中国・ロシア・日帝、さらにインド、中東サウジ、トルコが激しく入り乱れてまとまらない。G8の没落のなかで広がったG20体制でも、もはや物事を決めることができない。
ウクライナは新たな戦争への突入情勢にある。クリミア半島でウクライナ海軍の艦船をロシアが拿捕し、ウクライナのポロシェンコは、戦争法を発動し臨戦態勢へ。ロシアはミサイル部隊を増強している。
前回述べたとおり、12.19日産会長・ゴーン逮捕もまた、今日の世界恐慌・世界戦争の危機のもとで、帝国主義間の争闘戦の激烈さを示している。

いまや世界戦争の危機は明白だ。この情勢は日帝にとって、その歴史的脆弱性を徹底的に思い知らされる過程にもなっている。経済・外交において独自に動かせる軍事力のない帝国主義など争闘戦の時代に成り立たない。
日帝・安倍の戦後憲法の制約を改憲攻撃の強行でのりきろうとする衝動は、まさにこうした根拠をもっているのだ。9条の破棄こそ、いまや日帝にとって絶対不可欠の課題となり、政治戦略となってきているのである。「改憲への関心」が大衆的になくても、9条の破棄をここでやらなければ、帝国主義として敗北することは支配階級としては明らか。ゆえに、どんなに矛盾的でも、安倍はひたすら改憲を追求してくるとみるべきだろう。

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